新しい町と古い町

現代の都市生活においては隣近所との関係が希薄でお互いに一言も交わしたことがないなどという話をよく耳にします。
この現象は急速に住宅地として発展した東京西部の私鉄沿線に見られるようです。あるいはウォーターフロントのタワーマンションなどにみられる光景かもしれません。都内でも昔から住宅地として発展してきた地域は知り合いとして町内や近所の交流も盛んで家族ぐるみの付き合いが続いている場合がたくさん見られます。
このような地域では祭りなどを通しての交流や、近所のお寺の檀家もご近所さんが多く葬式に参列する風習も根強く残っています。また長所として空き巣や泥棒、駐車場の車上荒らしの被害もあまりきいたことがありません。
また、ご近所づきあいが残る地域ではIT機器の使い方を聞いたり教えてたりすることは日常茶飯事です。パソコンの不具合はヘルプデスクの力を借りなくてもとなりの知人に聞けばたちどころに問題解決しますし、ITのADSLが良いのか光ファイバーにした方が良いのかも近所の実例を見れば余り悩むこともありません。
回覧版や町会費の徴収どきに立ち話で長時間費やしてしまうこともよくあります。古くからの付き合いが続いている証拠ですが、こういったウェットな町の風情が我慢ならない人は、新しい町やマンションが立ち並ぶ地域へ移っていきます。回覧板の当番も近所の人が訪ねてくることもありません。付き合いが煩わしい人には住みやすい環境ですが、トラブル発生のとき助けに来る習慣もありません。どちらも一長一短です。あとは住む人の性格次第だと思います。